EXHIBITIONS
ILLUSION 錯覚との向き合い方
Tokyo International Gallery、新進気鋭作家3名によるグループ展
「“ILLUSION” – 錯覚との向き合い方」を開催
〜素材の違う作品群の再文脈化と追求する本質〜
株式会社Tokyo International Gallery(品川・天王洲)では、新進気鋭作家・沼田侑香、石山未来、
Valentin Dommangetの3名によるグループ展、 「ILLUSION 錯覚との向き合い方」を開催いたします。
錯覚がもたらす作品の屈折や本質は観る者の目によって異なる。3名の作品はそれぞれ素材や製作プロセスは異なるものの、鑑賞者による錯覚においてその作品の本質への導き方はお互いに作用している。
この3人展では各作家の相互反応を実験的にギャラリー空間で展開することにより作品の再文脈化と鑑賞者の脳裏に焼き付くアートそのものの本質への追求を測る。
アイロンビーズを繋げることにより一つのモチーフを形成し展開する沼田 侑香氏の作品は、2次元と3次元を往来するような錯覚に陥る。遠くから鑑賞するとまるで描かれた絵画のようだが近づくとそれは紛れもなくアイロンビーズで生み出された半立体作品だ。そこにある本質とは目に視えるものと
は程遠い現実社会を映し出す虚像なのかもしれない。
純粋に油絵具で動きを持たせるような絵画を描く作家、石山未来氏。大作に描かれる色彩豊かな描写は、人間の奥深くに眠る神秘的な感情を浮き彫りにしている。キャンバスに描かれた様々な要素が捻り合い長時間鑑賞することでその姿も変化して観える。今回の展示では、大型の新作を含む数点を発表し石山氏の世界観を届ける。
コンピュータ上で制作したイメージをレンチキュラー印刷で出力する作品を創るValentin Dommanget。
鑑賞者の立ち位置によって視える画面が変わるのが特徴的で作品の周りを往来することで作品との距離感を測っていくのも作家の意図するところである。日本の墨流しの技法を組み合わせ、キャンバス上に鮮やかで現代的な鉱物模様を描くドローイング作品は平面常識の領域を飛び出す現代社会の象徴のように視える。
3名の作品の調和が生み出す空間は視覚によって起こる錯覚の「はざま」にある。是非、鑑賞する際にその錯覚との向き合い方を探っていただきたい。
アーティストプロフィール
沼田侑香
沼田侑香は1992年千葉県生まれ。2019~2020年ウィーン美術アカデミーに留学。22年東京藝術大学大学院修了。インターネットが日常的に使用されるデジタルネイティブ世代に生まれた沼田は、現代における時代性、特質、世代の特徴を取り込み作品に置換している。作品の素材にはアイロンビーズという子供のおもちゃを使用し、一粒ずつ並べてイメージをを作り上げる工程により、アナログ性を示唆させながらもデジタル上で見られるイメージの崩れをを発生させることで、二次元でも三次元でもない新次元における表現方法を展開する。
石山未来
石山未来は1998年北海道生まれ。2020年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業。2024年東京藝術大学院美術研究科絵画専攻油画研究分野修士課程卒業。
石山の絵画制作のきっかけになっているのは主に"音楽を聴くこと"であり、実在するかわからないミュージシャンをインターネットで見つけては繰り返し聴き、その存在に取り憑かれたように生命を感じさせるイメージを絵画に落とし込む。あくまでもベーシックな手法で絵画を描くことで、個人的体験や経験を、絵を描く行為と同化させていくような作家独自の絵画空間を拡張していく。
ドマンジェ・バレンタイン
パリとロンドンでファインアート、ファッションテキスタイル、環境学を学んだDommangetは東京とベルリンを行き来しながら活動している。
彼の作品群には、3DCG彫刻やコラージュなどのデジタル領域と、レンチキュラー・プリントという個性的で実体を持つメディウムを組み合わせたシリーズがあり、グラフィティと1000年以上の歴史を持つ日本の墨流しの技法を組み合わせ、キャンバス上に鮮やかで現代的な鉱物模様を描く連作も重要なシリーズだ。
開催概要
- 展示会タイトル
- ILLUSION 錯覚との向き合い方
- 開催期間
- 2023年1月14日(土)〜 2023年2月25日(土)
- 開廊時間
- 12:00-18:00
- 休館日
- ⽇・⽉・祝
- オープニングレセプション
2023年1月14日(土)17:00 〜 20:00
- 住所
- Tokyo International Gallery
- アクセス
- 東京臨海高速鉄道臨海線「天王洲アイル駅」から徒歩約8分、 東京モノレール羽田空港「天王洲アイル駅」 」から徒歩約10分、 京急本線「新馬駅」から徒歩約8分