EXHIBITIONS
「昨日、野生の狸が軒下で逝去していたんです。」
伊藤 咲穂
2024.12.3.(火)〜2015.1.9.(木)
野生のタヌキはアトリエの軒下で、
丸まって眠るように死んでいました。
車に弾かれるのでもなく、
ただ自分の意志でここを選び、
生まれて、死んだようにも感じました。
自然と涙が出てたと同時に、幼少期に見た
自身の身体に流れる血潮が蘇りました。
現代人が行き交う都心の一角で
生活の中に共存する生と死に眼差しを向け、
脈打つ命への礼拝を体現します。
今回の展示では、伊藤のかねてからのテーマである“命の礼拝”を主軸に、最近体験した野生の狸の死と、そこから想起された自身の幼少期の体験「命の色(血潮)との出会い」から、静寂と躍動を持って「命」を表現しようと試みるものとなっており、その体験をまるで都会の知人に語りかけるような展示である。
日常の一部として「命」を振り返るきっかけになることに期待を込め、死生観の象徴としての錆和紙と、生きている象徴として血を表す赤色の岩絵の具や顔料を和紙へと漉き込む。
ARTIST PROFILE
アーティストプロフィール
伊藤 咲穂
伊藤咲穂は1989年島根県に生まれ、2014年武蔵野美術大学卒業後、アート活動を開始。独自の漉き方で作る和紙や、金属、土、顔料などを用い、幼少期に体験した彼女にとっての真理の世界観である、凪の心から生まれる静けさや移ろい、民族の営みから見える根源的な精神性を探りながら、抽象表現主義の系譜と捉え表現を続ける。近年、自然や生命を尊ぶ神道の思想へと繋がり、“土に寄り添い、土地と人々を結ぶ”活動として、その地に滞在し採取した土や砂を作品に取り込み、土地の生命を礼拝する作品を制作し神社などに奉納する芸術活動を行う。2023年の出雲大社 奉納作品「命の礼拝」の制作を機に、『礼拝』を生涯の表現として問いかけ続けている。
OVERVIEW
開催概要
- 展示会タイトル
- 「昨日、野生の狸が軒下で逝去していたんです。」
- 開催期間
- 2024.12.3.(火)〜2015.1.9.(木)
- 休館日
- なし ※建物内には入場いただけません。歩道からご覧ください
- 会場
- anonymous bldg.(表参道駅・表参道交差点の近くのアート展示ビル)
- 住所
旧:青山フェイスビル 東京都港区南青山5丁目1-25
- 主催
anonymous art project