ARTIST

吉田 桃子

1989年兵庫県生まれ、千葉県在住。
京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻修了。
欲望やフェティシズムを投影したパラレルワールドを空想する過程で、自らの肉体が次第に希薄になり、やがて消失するーーその感覚を起点に絵画を制作する。
現代のユースカルチャーを着想源に若者の肖像を描き、時にナショナリティーやジェンダー、リアルとバーチャル、2次元と3次元のあわいに漂う、曖昧で流動的な存在の気配を浮かび上がらす。
近年の主な個展に「(30p) Water soup」(ARTDYNE、東京、2024年)、「hemi hemi・Typin’, Set 4 “Waiting on your car.” 」(Ritsuki Fujisaki Gallery、東京、2024年)。主なグループ展にStudy:大阪関西国際芸術祭 2025 (船場エクセルビル, 大阪)、「ATAMI ART GRANT 2024 」(熱海市内、静岡)など。

Artist Statement
現実のパラレルワールドのような世界を空想し、自身の郷愁や未来への好奇心が交差する情景を描いています。
自己の消失と呼応するように現れるのは、自分自身の憧れや欲望、フェティシズムが投影された若者たちの別世界での姿です。未来を内包する未知の象徴として描かれる登場人物を、時には国籍、ジェンダー、リアルとバーチャル、2次元と3次元の境界を溶かし、特定のアイデンティティから解放された流動的な存在として描いています。美化された過去の記憶や多次元的な世界観に興味があり、自らの人生を新たなフィクションとして捉え直す試みや、ストーリーが入れ子状に深まる構造を絵画で探求しています。
制作プロセスでは、まずイメージを基にキャラクターの立体模型や背景を制作、動画に収め、そこから抽出した1コマを下絵にします。この多段階の変換工程は、現実世界から意識的に距離を置き、空想世界の深層で自己を模索する有効な方法だと捉えています。
音楽やファッション、ゲーム、インターネット文化など、さまざまなユースカルチャーから着想を得つつも、情報化社会における精神性やアイデンティティの拡張との関連性をも想起させたいと考えています。
ソーシャルメディアやメタバースが現実の制約から人々を解放し、自由な自己表現の可能性が広がる中、私たちの存在はますます複雑化しています。この様な時代背景の中で自身の作品を「現代の肖像画」として捉え、新たなリアリティを提示します。

BIOGRAPHY

1989
兵庫県生まれ
2016
京都市立芸術大学大学院美術研究科 絵画専攻 修了
2014
京都市立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業

CV

2023
FACE2023 グランプリ
2022
Idemitsu Art Award 2022 正路佐知子審査員賞
2019
ART IN THE OFFICE 2019
2016
アートアワードトーキョー丸の内 2016 三菱地所賞
2013
第28回ホルベイン・スカラシップ奨学生

EXHIBITIONS

2025
【グループ展】Study:大阪関西国際芸術祭 2025 (船場エクセルビル, 大阪)
【グループ展】絵画のゆくえ 2025 (SOMPO美術館, 東京)
【グループ展】夢みる粒子 (TAKU SOMETANI GALLERY, 東京)
【グループ展】ATAMI ART GRANT × BEAMS CULTUART Showcase vol.2 (B GALLERY, 東京)
2024
【個展】(30p) Water soup (ARTDYNE, 東京)
【個展】hemi hemi・Typin’, Set 4 “Waiting on your car.” (Ritsuki Fujisaki Gallery, 東京)
【グループ展】ブルーピリオド×ArtSticker vol.3 (アートかビーフンか白厨, 東京)
【グループ展】GURA 15th OPEN STUDIO (GURA, 京都)
【グループ展】ATAMI ART GRANT 2024 「超 -Beyond ATAMI-」(熱海市内, 静岡)
【グループ展】科学と芸術の丘2024 (松戸市内)
【グループ展】マンマンデー企画: Ddass Vol. 2 (Art Collaboration Kyoto 2024, 京都)
【グループ展】ALLOS and ERGON (POOL SIDE GALLERY,金沢)
【グループ展】ART SESSION by 銀座 蔦屋書店 (銀座 蔦屋書店,東京)
2023
【個展】Pure :p:p (銀座蔦屋書店インフォメーションカウンター前)
【グループ展】ART RHIZOME KYOTO(THE REIGN HOTEL KYOTO,京都)
【グループ展】3331によって、アートは『    』に変化した (3331 Arts Chiyoda ,myheirloom booth, 東京)
【グループ展】FACE2023(SOMPO美術館, 東京)
2022
【個展】Pit Lo Ssence (myheirloom, 東京)
【グループ展】Idemitsu Art Award 2022(国立新美術館, 東京)
2021
【グループ展】KYOTO ART LOUNGE EXHIBITION 表裏のバイパス (藤井大丸ブラックストレージ , 京都)
【グループ展】Slow Culture (京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA, 京都)
【グループ展】Art Collaboration Kyoto Special programs: Framing
【グループ展】Physicality (国立京都国際会館イベントホール , 京都)
2019
【グループ展】Kyoto Art for Tomorrow2019 -京都新鋭選抜展- (京都文化博物館, 京都)
2018
【グループ展】京芸 transmit program 2018 (京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA, 京都)
2017
【個展】scene UKH ver.2 (波さがしてっから, 京都)
【個展】scene UKH ver.3 (三菱一号館美術館歴史資料室, 東京)
【個展】scene UKH ver.3.1 (ART ZONE, 京都)
2016
【個展】sceneUKH (galerie16, 京都)
【グループ展】ウッホッホウホウホアートショー (波さがしてっから, 京都)
【グループ展】アートアワードトーキョー丸の内 2016 (丸ビル マルキューブ, 東京)

PUBLIC COLLECTIONS

SOMPO美術館
マネックス証券株式会社
京都市立芸術大学

WORKS