EXHIBITIONS

Facial Expression
Tokyo International Gallery、愛甲次郎・𠮷田桃子・宮崎浩太によるグループ展
「Facial Expression」を開催
株式会社Tokyo International Gallery(品川・天王洲)では、2025年9月10日(水)より愛甲次郎・𠮷田桃子・宮崎浩太によるグループ展「Facial Expression」を開催いたします。
また、本展では、国際アートフェア「Tokyo Gendai」に合わせて開催される「TENNOZ ART WEEK 2025」(主催:寺田倉庫株式会社)に参加いたします。
<展覧会概要>
Facial Expression ―肖像から考える表情の揺らぎー
我々は、言語を持たない時代から「表情」を通じて感情を伝え、他者とのコミュニケーションを図ってきました。しかし、社会の成熟とともに表情は単なる「感情の発露」に留まらず、社会、文化、心理、そしてテクノロジーが絡み合ったより複雑な現象として捉えられるようになっています。
本展では、3名のアーティストが肖像表現を通じて「揺らぎ」という主題に向き合います。
表情に宿る複雑な感情は、ときに脆く、儚く、そして何よりも人間的です。作家がそれぞれ描く表情をぜひ、会場にてご高覧ください。

アーティストプロフィール

宮崎 浩太
名古屋芸術大学大学院を修了後、地元である愛知を拠点にして制作、活動している。
制作し続ける中で5年程前から現在の「完成した作品の上から筆を重ねるスタイル」にたどり着き制作を続けている。
国内外のアートフェアや展覧会に精力的に参加し、近年はギャラリーでの個展も開催している。
Artist Statement
私の作品は1度完成した作品の上から筆をストロークさせることで完成します。
それによってできた絵の具の滲みや掠れは、モチーフそれぞれのイメージによって見え方が異なりますが、動きや時間の経過のように感じとることができると私は考えています。
作品を通して、いつも通り過ぎている日常を再び見つめ直すきっかけになればと思います。

愛甲 次郎
東京藝術⼤学⽇本画専攻を卒業後、東京を中⼼に画家として活動。
⿇紙に鉛筆や墨など繊細な素材を⽤いて、⼈の内⾯に潜む脆さや傷つきやすさを描き出す。
ぼんやりと浮かび上がる肖像の輪郭に寄り添う墨は、消えゆく存在の記憶を留め、表情の中⼼を⾛る線は⼈物の曖昧さを印象づけます。
主な個展に「誰かが⾃分のために祈ってくれるということ」(CLEAR GALLERY TOKYO、東京、2024年)、「ピアニシモな鎧」(TAKU SOMETANI GALLERY、東京、2023年)、「fragments」(銀座蔦屋書店、東京、2022年)
Artist Statement
私の制作は「繊細であること」「脆く、傷つきやすいこと」「揺れやすく、移ろいやすいこと」これらを肯定する姿勢から始まっています。鉛筆で描かれるモチーフは輪郭が曖昧であったり、ブレていたり、乱視的で焦点の定まらない表現をとることが多くあります。それは、「繊細さ」や「移ろいやすさ」を表現しながらも、対象を一方的に把握したり、確定したかたちに閉じ込めることに対する私なりの距離の取り方でもあります。見ることは常に揺らいでいて、不安定で、不完全なものであり、定着力の強くない鉛筆の表現はおぼつかない記憶のような存在として描こうとしています。
自分の中の繊細さや傷つきやすさを抑えて、はっきりとした意見を持ち、迷いなく前に進もうとしたとき、どこかで違和感を覚えることがありました。そのとき私が手に取っていたのは、きっと“金属の鎧”のようなもので、身を守るかわりに、他者の繊細さに触れにくくなっていたのだと思います。自分の脆さに蓋をしてしまえば、他者の体温にも気づきにくくなり、ときに無自覚な攻撃性を帯びてしまうこともある。だからこそ私は、自身の壊れやすさに驚くことはあっても出来る限り金属の鎧を手放していきたいと考えます。
黒い墨の線には、複数の役割が込められています。
それはモチーフを固定する接着剤のような存在であり、同時に、拘束具や鎧のような硬さや緊張感を伴っています。線はモチーフの輪郭に忠実に沿うのではなく、かたちを完全に定めずに支えるような働きをしています。そこには強さをまといたいという憧れと、そうすることで繊細さを損なうことへの戸惑いが交錯しています。線は守るために引かれたようでありながら、鎧をもつことの違和感を表し、その両義的な作用によって画面の中に微細な揺れと緊張を生み出そうとしています。

吉田 桃子
1989年兵庫県生まれ、千葉県在住。
京都市立芸術大学大学院修士課程絵画専攻修了。
欲望やフェティシズムを投影したパラレルワールドを空想する過程で、自らの肉体が次第に希薄になり、やがて消失するーーその感覚を起点に絵画を制作する。
現代のユースカルチャーを着想源に若者の肖像を描き、時にナショナリティーやジェンダー、リアルとバーチャル、2次元と3次元のあわいに漂う、曖昧で流動的な存在の気配を浮かび上がらす。
近年の主な個展に「(30p) Water soup」(ARTDYNE、東京、2024年)、「hemi hemi・Typin’, Set 4 “Waiting on your car.” 」(Ritsuki Fujisaki Gallery、東京、2024年)。主なグループ展にStudy:大阪関西国際芸術祭 2025 (船場エクセルビル, 大阪)、「ATAMI ART GRANT 2024 」(熱海市内、静岡)など。
Artist Statement
現実のパラレルワールドのような世界を空想し、自身の郷愁や未来への好奇心が交差する情景を描いています。
自己の消失と呼応するように現れるのは、自分自身の憧れや欲望、フェティシズムが投影された若者たちの別世界での姿です。未来を内包する未知の象徴として描かれる登場人物を、時には国籍、ジェンダー、リアルとバーチャル、2次元と3次元の境界を溶かし、特定のアイデンティティから解放された流動的な存在として描いています。美化された過去の記憶や多次元的な世界観に興味があり、自らの人生を新たなフィクションとして捉え直す試みや、ストーリーが入れ子状に深まる構造を絵画で探求しています。
制作プロセスでは、まずイメージを基にキャラクターの立体模型や背景を制作、動画に収め、そこから抽出した1コマを下絵にします。この多段階の変換工程は、現実世界から意識的に距離を置き、空想世界の深層で自己を模索する有効な方法だと捉えています。
音楽やファッション、ゲーム、インターネット文化など、さまざまなユースカルチャーから着想を得つつも、情報化社会における精神性やアイデンティティの拡張との関連性をも想起させたいと考えています。
ソーシャルメディアやメタバースが現実の制約から人々を解放し、自由な自己表現の可能性が広がる中、私たちの存在はますます複雑化しています。この様な時代背景の中で自身の作品を「現代の肖像画」として捉え、新たなリアリティを提示します。
開催概要
- 展示会タイトル
- Facial Expression
- 開催期間
- 2025年9月10日(水)〜 2025年10月18日(土)
- 休館日
- 月曜、火曜、水曜日のみ事前予約制(初日9/10を除く)※9月15日(月・祝)のみ営業
- オープニングレセプション
本展覧会の開催に際して、オープニングレセプションを「TENNOZ ART WEEK 2025」のVIPプレビューと同時開催いたします。
・日時 :2025年9月10日(水) 18:00-21:00 ※予約不要・入場無料
・会場 :Tokyo International Gallery- 会場
- Tokyo International Gallery
- 住所
Tokyo International Gallery
〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 2F
Tokyo International Galleryは、昨年7月よりギャラリースペースを一時移転しておりましたが、2025年9月10日よりTERRADA ART COMPLEXⅡ 2階の従来のスペースに戻り営業をいたします。
皆様のご来場を心よりお待ち申し上げております。- 「TENNOZ ART WEEK 2025」への参加について
本展覧会は、2025年9月に始まる国際アートフェア「Tokyo Gendai」に合わせて開催される「TENNOZ ART WEEK 2025」(主催:寺田倉庫株式会社)に参加いたします。
国内最大級のギャラリーコンプレックス「TERRADA ART COMPLEX」に入居するギャラリーや国内外のパートナーギャラリーによるグループ展「Tennoz Contemporary」も合わせて、お楽しみください。・会期 :9月11日(木)~15日(日)
※VIPプレビュー:9月10日(水)18:00-21:00
・入場 :予約不要・入場無料
・公式サイト:https://taw.warehouseofart.org