EXHIBITIONS
AUN ―心に映る、過ぎゆくもの―
Tokyo International Gallery、継続型プロジェクト「AUN」の一環として、
髙田万里、髙田結太による二人展
「AUN —心に映る、過ぎゆくもの—」を開催
株式会社 Tokyo International Gallery(品川・天王洲)では、2026年7⽉4⽇(⼟)から8月8日(土) まで、継続型プロジェクト「AUN」の一環として、髙田万里、髙田結太による二人展「AUN —心に映る、過ぎゆくもの—」を開催いたします。
「AUN」はプレイヤーのフラットな連携を通して、「展覧会」を再考する継続型プロジェクトとして、2022年に始まりました。二回目の展示開催となる今回は、プレイヤー間の連携という当初の視点を一つの展覧会からアートワールド全体へと拡張し、若手アーティストにとってアートワールドへの入り口となることを志向するプロジェクトとして再始動します。
本展では、髙田万里、髙田結太という双子のアーティストに焦点を当てます。二人は日々の生活の中で心に残った風景をモチーフにしていますが、描かれているのは風景の客観的な姿というよりも、風景との主観的な出会いの経験と言えます。同じ風景であっても、見る側の気持ちや感情によって見え方は 変わり、同じ像が心に結ばれることは二度とありません。彼らが表現しているのはそうした無二の瞬間と言えるでしょう。
髙田万里は、富士山をモチーフに風景画を制作しています。作家は日常的に富士山を目にする中で、同じ山が「いつも異なって見える」と感じたと言います。それは、季節や時刻によって山の見た目が変化しているという以上に、富士山を見る自身のその時々の内面の状態によって印象が異なっているという感覚でした。
一方、髙田結太が描いているのは、身近な人々の親密な姿です。一瞬の仕草や表情を切り取ったイメージは、スマートフォンで日常的に撮影されるスナップ写真を思わせます。しかし、日々データとして消費されていくデジタル写真とは異なり、イメージはキャンバス上に半永久的に残され、そしてむしろその永続性が風景の瞬間性を際立たせているのです。
日常の中で目に留めたものや浮かんだ感情を記録し、共有することは、現代では珍しいことではありません。心を惹かれる対象に出会ったとき、スマートフォンを取り出して写真を撮り、文章を添えてSNSに投稿することは、非常にありふれた行為と言えるでしょう。しかし、それらのイメージのほとんどはすぐに膨大な情報の中に埋もれ、流れ去り、忘れられてしまいます。儚い瞬間を、油絵という時間のかかる手法によってキャンバス上に止める行為は、加速する消費と忘却のサイクルへのささやかな抵抗と見ることもできるかもしれません。
髙田 万里


髙田 結太


アーティストプロフィール
髙田 万里
アメリカ生まれ。幼少期からアートに興味を持ち、東京は原美術館の庭で遊びながら育つ。
ハワイで高校生活を送る中、アートセラピストでもある彫刻家カレン・ルーカスに出会い師事。日米での学びを活かし、現在はOtis College of Art and Designにて、さらに出会いを広げながら制作活動を行なっている。
Artist Statement
今回の制作において、私にとっての富士山は、単なる風景ではなく、自分自身と向き合うための存在として立ち現れています。場所や時間、そのときの精神状態によってまったく異なる表情を見せるこの山は、外界の風景でありながら、同時に私の内面を映し出す鏡のようでもあります。これまでも雲の形や色彩、フォルムを誇張することで自身の感覚を織り込んできましたが、本作ではさらに一歩踏み込み、感情や精神の状態とより根源的に結びついた表現を試みています。同じ場所であっても、静かで冷静なときに見える景色と、心が温かく満たされているときに見える景色は大きく異なります。そうした「見え方」の差異そのものを、より強く、明確に画面へと表出させることを目指しています。
また今後は、モチーフを富士山に限定するのではなく、日常の中で無意識に自分の心と同期している風景や瞬間へと視野を広げていきたいと考えています。身近な街の景色や、音楽から喚起されるイメージ、あるいは特定の場所や出来事に宿る空気感など、自身のスピリットと自然に共鳴するものを、時にドラマチックに、時に過激に、より率直に表現していきます。本展の作品は、目に映るものを再現するのではなく、自分の内面を通して変容した「見え方」そのものを描き出そうとする試みの出発点です。
一方で、本制作の初期に描いたポートレートは、自分に影響を与えてきた人物をテーマとしています。風景が内面を映し出す鏡であるとするならば、人はその内面を形成してきた存在であると捉えています。ポートレートは、外側に存在する他者でありながら、同時に自分の内側に深く関わる要素として位置づけられます。風景と人物という二つのモチーフを通して、内面と外界の関係性を往還しながら、私という存在がどのように形づくられているのかを探求しています。
髙田 結太
アメリカに生まれ、日本にて幼少期を過ごす。ハワイの高校在学中にアートに目覚め、以後アーティストの道を目指す。
日米両国で育った経験を背景に、将来的には国際的な視野を持って創作活動を展開したいと考えている。
作品制作においては、人と人との間に生まれるかけがえのない瞬間や感情を主題とし、その表現を通じて人間存在の本質に迫ることを目指している。
油絵を主な手法とし感情や記憶の深層に触れる絵画表現を通じて、他者との共感と繋がりを生み出すことを創作の根幹としている。
現在は2025年に入学したOtis College of Art and Designにて、さらに視野を広げつつアートを学んでいる。
Artist Statement
私は最初、自分が何を描きたいのか分かりませんでした。そこで、過去に撮った写真を見返してみることにしました。すると、そこには友人との楽しかった瞬間を切り取った写真が数多くありました。これまであまり振り返ることはありませんでしたが、写真を見返すことで自然と笑みがこぼれ、思い出の大切さに気づきました。
私はこれらの思い出の写真をもとに絵を描くことで、その瞬間を作品として残したいと考えました。絵にすることで、単なる記録ではなく、自分の記憶や感情を通して再構成されたイメージとなり、より個人的で深みのある表現になると感じています。
もちろん、これらは私自身の思い出であるため、他者には単に楽しそうな場面として映るかもしれません。しかし、その違いもまた魅力であり、見る人それぞれが「どんな時間だったのか」と想像できる余白を持った作品になると考えています。
現代ではスマートフォンによって日常の一瞬を簡単に記録できますが、その一瞬はどこか儚いものでもあります。私はその儚くも大切な時間を、絵という形で残したいと思っています。
開催概要
- 展示会タイトル
- AUN —心に映る、過ぎゆくもの—
- 開催期間
- 2026年7月4日(土)〜 2026年8月8日(土)
- 開廊時間
- 10:00 – 19:00
- 休館日
- 日曜、月曜、祝日(火曜日は事前予約制)
- 事前予約のみ営業
- 火曜日 12:00 – 18:00(1時間枠)
【予約フォーム】 https://b-book.run/@tig0e37257563b82de3
※上記URLより3日前までにご予約ください
※作品鑑賞の他、作品購入や取材対応なども上記URLよりご予約ください
※予約を承ることができない場合もございますので、予めご了承ください - オープニングレセプション
開催日 : 2026年7月4日(土) 16:00-19:00(予約不要)
会場 : Tokyo International Gallery- 会場
- Tokyo International Gallery
- 住所
Tokyo International Gallery
〒140-0002 東京都品川区東品川1-32-8 TERRADA Art Complex II 2F